イクラもサケもオレンジ色なのはなぜ?という話:トリニクって何の肉!?【2019/05/28】

魚といえば、タイなどの魚は白身、マグロなどの魚は赤身、

しかし、サケの身だけがオレンジ色。そして、卵のイクラも。

いったい、これはなぜでしょうか?

その理由は、イクラを産むことに関係している。

エサを探して3万キロ

サケは川で生まれるが、イクラをたくさん産む栄養をつけるため、エサを求めて海にまで行く。

海であれば冬の間でも、ある程度エサを食べることができる。エサの量が圧倒的に違う。

サケは海水の余分な塩分をエラから排出できる。

サケ以外にも海でエサを捕る魚がいて、アユやシシャモも川で生まれて海で育ちまた川で産卵する。

でも、サケは他の魚たちとエサを食べる期間が違う。

アユは5ヶ月、シシャモは2年、サケは平均4年もエサを食べて泳ぎ続ける。

それは、オホーツク海からベーリング海、さらに遠くはアラスカ湾まで行ったり来たり、

その距離は、最大3万キロ。

例えるなら、日本列島の北海道から九州の端から端までを10往復するほどの距離。

そしてその間に食べるエサが、オキアミ(全長3cm)などの甲殻類プランクトン。

オキアミの中にある赤い色素が筋肉の中に溜まって、身がオレンジ色になる。

鮭の身だけが鮮やかなオレンジ色なのは、それだけ長い期間エサを食べ続けているから。

4年に渡って十分に栄養を摂ったサケは卵を産む。

生まれた川まで戻る

サケは川で産まれたので、川で卵を産む。

日本には3万本以上の川があるが、サケは自分が生まれた川を見つけることができる。(※なぜ生まれた川まで戻るかは解明出来ていない)

遠いアラスカ湾からどのようにして戻るかというと「嗅覚」を使う。

サケは人間よりはるかに高い嗅覚を持っていて、95%以上の確率で生まれた川へ戻る。(※他にも太陽の位置・磁力・海竜を利用しているといわれる)

ひたすら川の上流を目指す

サケは水が比較的流れやすい砂利の場所を選んで産卵する。砂利が多い場所は川の上流部になる。

少しでも安全にイクラを産むため、ひたすら上流の砂利の場所を目指す。

急な川の流れと逆方向に泳ぐため大変。浅い場所だと傷だらけになる。

中には人間が作った障害物があるから、それを乗り越えないといけない。

イクラを産めずに途中で死んでしまうサケもいる。

こうやって苦労してようやくイクラを産む。

サケは産卵すると力尽きてしまい、我が子の顔を見れず、すべて死んでしまう。

豆知識:
イクラは、ロシア語で「魚卵・小さな粒々のもの」という意味がある。
日露戦争の際にロシア軍の捕虜が「イクラ」と言って食べていたところから広まっていった。