みなさんは「脂肪味」という味覚をご存知ですか?
甘味、塩味、酸味、苦味、うま味、これらに加わる第6の味覚です。
去年(2018年)、特定されました。
動物性の脂や植物性の油で感じられる脂肪味。
実はこの脂肪味、感じられるかどうかは個人差があるといいます。
そんな中、脂肪味に鈍感だと生活習慣病のリスクが高まるという研究者もいます。
オーストラリア ディーキン大学のラッセル・キースト 先生によると、
脂肪味に鈍感な人は、脂肪をとり過ぎてしまう危険がある。肥満やそれに関連した脳卒中、心臓病、糖尿病などの病気につながる可能性がある。
とのこと。
去年10月、世界に先駆け脂肪味のメカニズムを解明したのは、九州大学の研究グループです。
私たちの舌にある味蕾は、味をキャッチする器官です。
味蕾には、甘味や酸味など、5つの成分を受け取る細胞があり、それぞれの味覚を脳に伝える神経とつながっていることが分かっていました。
今回、脂肪味を脳に伝える神経が新たに発見されたのです。
人間にとって脂肪味は、我々の体が必要としている栄養素を過不足無くとる、健康維持するために不可欠な感覚といえます。
脂肪味セルフチェック
あなたが脂肪味に敏感か鈍感かは、セルフチェックが参考になります。
以下の項目で、該当するものにチェックしてください。
□ 1日2食 揚げものを食べることがある
□ 肉は脂がのったものが好き
□ しょうゆラーメンより とんこつラーメン
□ 和菓子よりも 洋菓子が好き
□ 低脂肪の乳製品では物足りない
□ つい食べすぎてしまうことがある
□ お腹いっぱいまで食べないと満腹感を感じない
チェック結果はこちら!
チェックが2つ以上で「鈍感」の可能性があります。
脂肪味が鈍るメカニズムは?
・舌の細胞が衰える
・ホルモンが邪魔をする
・脂肪味に慣れてしまう
この3つの可能性があります。
脂肪味の敏感さを取り戻すには?
「脂肪味」改善6か条
・揚げ物(菓子類を含む) → 焼きもの・蒸しもの
・脂身の多い肉 → 赤身肉・鶏むね肉・白身魚
・脂の多いラーメン → うどん・そば
・ケーキ・シュークリーム → 和菓子・せんべい
・マヨネーズ → ノンオイルドレッシング
・バターなど乳製品 → 低脂肪製品
実は、味をキャッチする味蕾は10日ほどで、生まれ変わるといわれています。
その間、できるだけ脂肪を減らすことで、新しく生まれた味蕾の感度が上がると考えられているのです。