新潟県燕市にある国上寺。
今ここに展示されているあるものに賛否の声があがっています。
お寺本堂外壁に描かれている、描かれている5人の男性。
中には入浴シーンを描いているのか大胆な絵や、
いくつかの絵がありました。
これはいったい何を描いたものなのか?
描かれているのは、歴史上の人物や、伝説に出てくる鬼だといいます。
露天風呂から裸の上半身を見せているのは、祈願のため国上寺を訪れていたという戦国武将の上杉謙信。
妖艶な衣を身にまとい笛を奏でているのは、兄・源頼朝に追われ平泉に逃れる際に国上寺の本堂に身を隠していたとされる源義経です。
また満面の笑みで龍にまたがりピースサインをしているのは、国上寺に子どもの頃預けられていたとされる伝説の鬼、酒呑童子。
露天風呂で背中を流し合っているのは、義経に仕えた弁慶(右側)と、国上寺で多くの歌を残した僧侶の良寛(左側)です。
今年(2019年)4月に公開されたこれらの絵は全て、日本画家の木村了子さんが手がけたもの。
国上寺の本堂の回廊に展示されていて、誰でも無料で鑑賞することができます。
これを見た人たちの反応は?
・今風で悪くないんじゃないか
・神秘的なところでいいですよね
・明るくてきれいで見やすい
・小さい子供には見せたくない
などと、賛否両論あるようです。
いったいなぜ、お寺のイメージとはかけ離れた絵を展示することになったのでしょうか?
国上寺の住職によると、
近くに温泉があるので、お寺にも露天風呂があればこんな感じなのかな?ということで、こういう絵が描かれた。
お寺は一歩入りづらいところがあるのかなと、とりあえず一歩お寺の境内に踏み込んでもらうための仕掛けって言った方がいいんでしょうかね。
たくさんの歴史上の人物が(国上寺に)往来している中で、有名どころの5人をピックアップして、イケメン化して時を同じ空間にしてこのお寺で集まったら、どんな生活状況、どんなことをしていたんだろうというようなことで、こういう絵のテーマになりました。
とのこと。
この絵を展示してから、お寺を訪れる人は倍増したといいます。
しかし、今回の展示には問題も・・・。
実は、絵が展示されている国上寺本堂は燕市の文化財に指定されているため、本来であれば事前に教育委員会に変更の申請をすることが条例で定められています。
ですが、国上寺は事前申請をしないままこの絵を展示したのです。
現在、寺側は申請の書類を提出していて、来月(2019年7月)12日から始まる文化財調査審議会で検討されるということです。
これだけではなく、なんと、否決の場合は文化財を解除してほしいという陳述書も提出していました。
つまり、絵の展示をやめさせられるくらいなら、文化財を解除したいという話です。
住職によると、
「気軽に立ち寄ってもらうお寺作りをできればいいのかなということをこれから考えていきたい」
ということでした。