将棋は何を奪い合うゲーム?という話がありました。
それはもちろん「王将」と言いたいところですが、
そもそも将棋は、一列目の「お宝」を 前列にいる「兵隊」を使って奪い合うゲーム。
王将、金将、銀将はもちろんのこと、
実は、桂馬と香車もお宝なのです。
桂馬(けいま)は、貴重なスパイスで、漢字で書くと「肉桂(ニッケイ・ニッキ)」のこと。
ニッキはシナモンの仲間。
スパイスには防腐・抗菌作用があるといわれていて、
これを巡って世界で争いが起こるほどのお宝でした。
香車(きょうしゃ・きょうす)の「香」は、今でも高値で取引される「香木」のこと。
さらに、昔の将棋には50種類の駒があり、現在の将棋盤の4倍の大きさがありました。
これを「摩訶大将棋」といいました。
お宝には、金将・銀将以外に、銅将・鉄将・瓦将・土将などがあり、
猫又・驢馬(ロバ)・盲虎・猛牛・悪狼・酔象・麒麟(きりん)・力士などの駒が守っていました。
ちなみに、王将が相手の駒をとって成ると、「自在王」となり、自由にどこにでも飛ぶことができる最強の駒となります。
駒数が多くて盤が大きいこの将棋は、対局時間が長くなり、駒の動きを全てマスターするのは大変で、時代と共に遊ばれなくなっていったと考えられています。