近年増えている高齢者の車による交通事故。
その事故の多くは、目に関していると考えられるそうです。
視野というのは、人間、広く見ると左右で大きく約200度ある。
ただこれにも色々あり、青い部分は「周辺視野」。
なんとなく見えるかなという、ぼやっとものの形や色など何かあるかなって分かるけど、明瞭には確認できないところが周辺視野。
それとは正反対なのが、真ん中の紫の部分「中心視」。
これは、1度から2度しかない。
物の形や色など、明瞭に確認できるところ。
それと、その横にあるオレンジの部分「有効視野」。
30度程度で、脳が明瞭に認識できる範囲。
真ん中の「中心視」は高齢者になっても、中心視は衰えないので、実際に対象が正面にある追突事故というのはあまり若年者と高齢者の発生率は変わらない。
高齢になると、それ以外の部分で影響がでてくる。
年齢とともに、30度くらいだった「有効視野」が狭くなってくる。
高齢者の3分の1が有効視野が40%以上減少。
事故率が2倍以上になっているという話もある。
以下は、視野の広さの検証。
車の中で真っ直ぐ前を見て、ハンドルを握った状態。
そこに、外側から真ん中に向かって、赤いランプが動いてくる。
若者の場合、外側の時点ですぐにランプに気付く。
一方、高齢者の場合、真ん中付近にまでランプが来て、はじめて気がついた。
他にも、視野が狭くなる原因がある。
それは、車内での「会話」。
映像を思い起こす会話は視野を狭めるという。
脳が処理できる情報量は上限が決まっていて、一度に入る情報が色々なことを思い起こしてしまって、情報が多すぎると処理が追い付かず、視野まで狭まってしまうという。
ドライバーの視野を狭める会話が、長期記憶を使って映像を連想させる会話。
例えば、
「今度の旅行はどうする?前に行ったあのホテルは良かったね」
など、昔あんなことがあったというような、映像を連想させる会話は視野を狭める。
なので、
「今日は暑いね」
など、運転中はあまり考えさせない漠然とした会話がよい。

- 作者:若桜木 虔
- 出版社/メーカー: 青春出版社
- 発売日: 2017/01/28
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