花が冬眠!?フラワーロスをなくす保存方法:突撃!カネオくん【2020/06/13】

花屋さんを長年悩ませ続けている「ある問題」がある。

生ものである花は、売れ残ってしまうと、しおれる一方。

どんどん商品価値が下がって、捨てるしかなくなってしまう。

これが「フラワーロス」。

一般的な花屋さんでは、仕入れた花の3〜5割くらいを捨てている。

このフラワーロスによる経済的な損失は、年間1500億円にものぼるという分析もある。

一般的に、どこの花屋でも、客が買って帰ったタイミングで、満開を迎えるよう花がつぼみの状態で、5℃〜8℃の冷蔵庫に入れて保存している。

それでも、もつのは1週間が限度。

2週間後には、花は冷蔵庫の中で、咲いてしまう。

もっと成長を遅らせるためには、温度を下げるしかない。

花の冷蔵庫

しかし、5℃以下に下げると、花の中の水分が流れにくくなる。

水分が行き届かず枯れてしまう。

そんなフラワーロスを解消するべく、林正史さんが研究中の最新マシンがある。

こちらが、その特殊な冷蔵庫。

特殊な冷蔵庫

中の温度は1℃。ここなら2週間後でもつぼみのままで保存できる。

そして、冷蔵庫から出すと、花は咲きだす。

その秘密は、壁に取り付けられたパネル。

1秒間に5万回の振動を与える電波を流している。

その電波を受けると、花の中の水分に変化が起こる。

花の中の水をミクロで撮影して見てみると、

通常、水の粒は大きさも配置もバラバラ。

しかし、特殊な冷蔵庫の電波を当てると、その振動によって水の粒はどれも均等に小さくなり1列に整列。

このように、小さく変化した水の粒は1℃という低い温度でも茎の中を流れていける。

なので、花に十分な水が行き、成長がとまったまま、枯れずに生き続ける。

花をつぼみのまま、これまで以上に長い間保存ができる冷蔵庫を使えば、フラワーロスの解消になると期待されている。

現在、花の種類別にデータを取り、実用化に向けて研究が進んでいる。