ネット通販のアマゾンでどうやって商品が売られているかというと、
日本で商品を売りたい出品者の多くが、いったん日本国内のアマゾン倉庫に商品を預ける。
そして、注文が入ると、この倉庫から商品が消費者のもとに届けられるが、
ここで不良品であったり、出品者に不正が見つかった場合には、アマゾン倉庫にある関係する商品すべてが出品者に差し戻される。
ところが、この対策をくぐり抜ける手口が見つかった。
ネット通販の謎の物流拠点があるとの情報を得て向かったのは、関東郊外の住宅街。
住宅の中には、所狭しと、段ボールが積み上げられていた。
ここにあるものは、アマゾン倉庫から届いたもので、ほぼ全部中国製だという。
受け取る商品は家電やブランド品など、多い日で900近く。
実は、仕事はそれだけではない。
返品で届いた商品に、上からの指示で、新しいラベルを貼るのだという。
この物流拠点にいた人は、中国人の知り合いから頼まれラベルを貼り替えているが、詳しい事情は分からないという。
指示が送られてくるのは、中国のSNS「WeChat」経由だった。
ラベルの貼り替えの目的は何なのか?
ネット通販の日本出品者によると、ラベル貼り替えはよく聞く手法だという。
アマゾンの規約違反をすると、出品停止を食らってしまう。
アマゾンで出品停止されてしまうと、もうその商品は再出品できないので、別の出品者の別の商品として出すために、アマゾンのラベルを貼り替えているという。
その仕組みはこう。
パッケージに貼られたラベルには、どの出品者の何の商品か、という情報が含まれている。
このラベルを貼り替えることで、簡単に別の出品者の別の商品を装うことができる。
この手法を使えば、問題があって返品されても、全く新しい商品として販売することができる。
バーコードの貼り替え業者みたいなのがいて、1回10円、20円でやってくれる業者は、世界中にいっぱいあり、自宅で空いた時間にバーコードを貼っている人もたくさんいて、そこまで出品者の意図について考えずにやられているという。