なぜ夜にオシッコが出る?第2のぼうこうの話:ためしてガッテン【2020/07/15】

なぜ夜にオシッコが出るのか?という話がありました。

ある男性2人は、1日で同じ食べ物の量と同じ水分を摂取した。

その日の2人のオシッコの量がこちら。

2人のオシッコの量

夜寝るまで、Bさんに比べると、Aさんのオシッコの量はとても少なく見える。

でも、実は、Aさんは夜の就寝中にオシッコに行く回数が多かった。

これは、医学的に「夜間頻尿」と呼ばれる症状。

しかし、寝る前のオシッコの量を比較してみると、

2人のぼうこう

エコー撮影で、2人ともオシッコがたまる「ぼうこう」の大きさは変わらなかった。

では、夜中のオシッコの水分はどこからやってきたのか?

実は、なんと「ふくらはぎ」。

Aさんのふくらはぎの太さ【周囲(cm)】を測定すると、朝に比べて寝る前の方が太くなっていた。

ふくらはぎの太さ

本当に水がたまっているのか?

こちらのフィットネスジムにある体重計のような機械「体成分分析装置」。

体成分分析装置

これで全身の水分の状態が分かる。

体成分分析装置

しかも、腕も右や左、そして体幹の部分、脚も右左、いろんな所に分けて測定してくれるという。

これで、Aさんの体の部位別水分量をはかると、

部位別水分量変化

腕や胴はそれほど変わらないのに、足だけは右肩上がりに上がっている。

このように、足にどんどん水がたまっていっている。

実は、ふくらはぎを含む足には、水をため込むタンクがある。

足をエコー撮影してみると、皮膚と骨の間に黒く写っているところが何カ所かある。

足のエコー撮影

これがたまった水分で、たまっているのは「間質」と呼ばれる細胞と細胞をつなぐ結合組織の中で、緩衝材の役割をしているところ。

でも、通常の状態の足(水分がたまっていない状態の足)は、この間質という部分はとても薄くて少ない。

このふくらはぎにため込んだ水分が、夜間頻尿を引き起こす大きな原因だった。

今、泌尿器科の医師もこの水分に大注目していて、診察でチェックすることもあるのだという。

足に靴下のあとが残ったり、200〜300ccくらいは、片足に体液がたまると言われている。

なぜ、足に水分がたまるのか?

全身を巡る血液は、心臓やふくらはぎの筋肉がポンプの役割を果たし、循環させている。

水を飲むと、胃や腸で吸収された水分が、一旦は血液の中に入る。

この時、私たちの体は水分の量を常に一定に保とうとするため、増えた分の水分をオシッコに変えて、ぼうこうにためる。

でも、Aさんのように夜のオシッコに悩む方は、主に加齢が原因でポンプの機能が衰えている可能性がある。

ふくらはぎに水分

そのため、同じように水を飲んでも、血液を下から上に押し上げる力が足りない。

血管から水分が漏れ出し、ふくらはぎの間質になってしまう。

この状態で夜寝ると、重力の影響を受けなくなったことで、間質にたまった水分が再び血管に。

夜にオシッコ

そして、増えた血液を減らすために、どんどんオシッコが作り出されてしまう。

夜オシッコのために起きると、年寄りは、暗くて、つまづくことも多い。

そのため、骨折するリスクも増え寝たきりの原因になることもある。

夜間頻尿の対策は?

1:「ストッキング」。

弾性ストッキングをすることで、足の外側から圧力をかけ、ふくらはぎに水をたまりにくくする。

つまり筋肉の補助。

これを日中に使用することで、昼間の尿量が増える。

2:「足上げ

足上げ

30分間の「足上げ」をすることで、ふくらはぎの水分が血管に戻り、日中にオシッコになる。

3:「減塩

塩が体内に入ってくると水分をとりやすくなる。

塩分が入ると血圧が上がりやすくなる。

余談:「晩酌

晩酌は、夜間頻尿には、あまりよくない。

アルコールは利尿作業があるのと、塩辛いつまみが多いので体に水分を引き込みやすい。

喉が乾いて飲みたくなる。

そのため、夕方以降に塩分を取りすぎると、夜間頻尿になりやすい。