目薬をしても目が乾くという人がいると思います。
これはどうしてでしょうか?
2017年に、長崎県の度島で行われた目の検査の結果、
まぶたの裏に、「しまがある人」と「しまがない人」の2タイプがいることがわかった。
その比率は、「しまがある人」が7割、「しまがない人」が3割。
調べたところ、しまが無い方が「ドライアイ」になる確率が高いことが分かった。
この「しま」は年を取るほど、無くなっていく。
模型を使って、目の断面図を見てみると、
上にだけあるのは「涙腺」。
いわゆる涙の入った袋で、ここから涙が出る。
一方、上にも下にもあるのが「マイボーム腺」で、まぶたの裏のしましまがこれ。
まばたきの際にここから、油が出てくる。
この油とドライアイにどのような関係があるのか?
まず、涙がどれだけ量が多くても、さらっとしているので、流れて乾いてしまう。
でも、ここに油が十分にあると、油のコーティングができる。
そうすると、涙の水分がきても、しっかりと眼球の上にとどまってくれる。
通常は、水と油は混ざり合わないが、マイボーム腺から出る油は水と混じり合い広がる。
そのおかげで目全体で涙がコーティングされる。
目全体に油が行き届けば、涙もずっと潤う目になる。
この油の出口が詰まると、もっこりしてしまい医学用語でいう「タピオカサイン」となる。
この状態で無理やり押し出すと、変性・変質した油が出てくる。
本来であれば、いい油が入っているはずだが、それが酸化したりして黄色っぽくなる。
目が乾くから水分だと思って目薬をさすが、油が正常に潤ってないと、涙が蒸発してしまう。
上下に、そのタピオカサインができた状態を放置しておくと、そのマイボーム腺がなくなってしまうので、「しま」がなくなってしまい、油ができなくなってしまう。
このタピオカサインができやすい人には、共通の特徴がある。
油づまりの原因は?
・コンタクト
まばたきは、1日15000回程度する。つまり、それだけコンタクトがマイボーム腺にこすれているということ。なので、傷つきやすい。
・パソコン作業
パソコンは集中すると、まばたきをしなくなる。上のまぶたと下のまぶたがくっついて、初めて油が1回でる仕組みになっている。まばたきの回数が減ると、最終的に油不足になる。
・加齢
年を取ると涙液の量と油の量が減る。
・こってりした食べ物
毎日、油の多い食生活をしてたら、いずれ白い固い油になって、マイボーム腺のしまがなくなる。
対処法は?
油なので溶かすことが一番大事。
ホットタオルを5分間まぶたの上に乗せてよこになるとよい。
【ホットタオルの作り方】
・約50℃のおしぼりをつくる。
おしぼりを50℃ぐらいのお湯に浸してサッと絞る。熱いので十分な熱さのゴム手袋などを使う。
・おしぼりをポリ袋に入れる。
・乾いた薄手のタオルで包む。
ホットタオルを5分間まぶたの上に乗せる。
これを1日2回するとよい。