目薬をしても目が乾く?「タピオカサイン」に気をつけて!という話:ためしてガッテン【2020/07/22】

目薬をしても目が乾くという人がいると思います。

目薬

これはどうしてでしょうか?


2017年に、長崎県の度島で行われた目の検査の結果、

まぶたの裏に、「しまがある人」と「しまがない人」の2タイプがいることがわかった。

まぶたの裏のしまのあるなし

その比率は、「しまがある人」が7割、「しまがない人」が3割。

調べたところ、しまが無い方「ドライアイ」になる確率が高いことが分かった。

この「しま」は年を取るほど、無くなっていく。

模型を使って、目の断面図を見てみると、

目の模型

上にだけあるのは「涙腺」。

目の断面図

いわゆる涙の入った袋で、ここから涙が出る

一方、上にも下にもあるのが「マイボーム腺」で、まぶたの裏のしましまがこれ。

まばたきの際にここから、油が出てくる

この油とドライアイにどのような関係があるのか?

まず、涙がどれだけ量が多くても、さらっとしているので、流れて乾いてしまう。

でも、ここに油が十分にあると、油のコーティングができる。

そうすると、涙の水分がきても、しっかりと眼球の上にとどまってくれる。

通常は、水と油は混ざり合わないが、マイボーム腺から出る油は水と混じり合い広がる。

そのおかげで目全体で涙がコーティングされる。

目全体に油が行き届けば、涙もずっと潤う目になる。

この油の出口が詰まると、もっこりしてしまい医学用語でいう「タピオカサイン」となる。

タピオカサイン

この状態で無理やり押し出すと、変性・変質した油が出てくる。

変性・変質した油

本来であれば、いい油が入っているはずだが、それが酸化したりして黄色っぽくなる。

目が乾くから水分だと思って目薬をさすが、油が正常に潤ってないと、涙が蒸発してしまう。

上下に、そのタピオカサインができた状態を放置しておくと、そのマイボーム腺がなくなってしまうので、「しま」がなくなってしまい、油ができなくなってしまう。

このタピオカサインができやすい人には、共通の特徴がある。

油づまりの原因は?

・コンタクト

まばたきは、1日15000回程度する。つまり、それだけコンタクトがマイボーム腺にこすれているということ。なので、傷つきやすい。

・パソコン作業

パソコンは集中すると、まばたきをしなくなる。上のまぶたと下のまぶたがくっついて、初めて油が1回でる仕組みになっている。まばたきの回数が減ると、最終的に油不足になる。

・加齢

年を取ると涙液の量と油の量が減る。

・こってりした食べ物

毎日、油の多い食生活をしてたら、いずれ白い固い油になって、マイボーム腺のしまがなくなる。

対処法は?

油なので溶かすことが一番大事。

ホットタオルを5分間まぶたの上に乗せてよこになるとよい。

【ホットタオルの作り方】

・約50℃のおしぼりをつくる。

熱いおしぼりをつくる

おしぼりを50℃ぐらいのお湯に浸してサッと絞る。熱いので十分な熱さのゴム手袋などを使う。

・おしぼりをポリ袋に入れる。

おしぼりをポリ袋に入れる

・乾いた薄手のタオルで包む。

乾いたタオルで包む

ホットタオルを5分間まぶたの上に乗せる。

ホットタオルをのせて横になる

これを1日2回するとよい。