雨のニオイって何?という話がありました。
これについて、岩橋尊嗣 先生(大同大学 かおりデザイン専攻 講師)が、説明していました。
雨のニオイは、「ペトリコール」とも呼ばれる。
さまざまなニオイが混ざってできていて、中でも「ゲオスミン」という物質が、雨のニオイの主な要因だと言われている。
ゲオスミンは、「大地のニオイ」を意味する名前を持った化学物質。
一般的に、下水道からにおうカビ臭や、コイやナマズなどの淡水魚が持つ泥臭いニオイの原因物質と言われている。
このゲオスミンはどのようにして発生するのか?
土の中には、「放射菌」という細菌がたくさん存在している。
その細菌が、枯れ葉など、いろいろな栄養素を食料として自分の体の中に取り入れ、いらないものを体の外に出す。
この排せつ(人でいうとオナラ)の中に、ゲオスミンという化学物質が含まれる。
土の中には、細菌が排せつ物として出したゲオスミンなどの化学物質が含まれている。
土の上に雨が降り注ぐと、エアロゾル現象が起きる。
エアロゾルとは?・・・空気中に浮遊する液体・個体の微粒子。
例えば、スプレーの霧やタバコの煙、黄砂などもエアロゾルの一種。
雨が地表に落下すると、空気中には、いくつものエアロゾルが発生する。
この時、土の隙間に入り込んだ水が、ゲオスミンを含む土の微粒子を取り込み、それがエアロゾルとなって大気中に舞うことで、あの独特の雨のニオイを私たちの鼻へと届けている。
では、一体どんな場所であれば、雨のニオイを強く感じるのか?
・アスファルトより土が多い
・適度な草木があり土が露出
・土がかき回されていない
これらの条件がそろう場所として、例えば、学校のグラウンドや植え込み、近所の空き地などが想定される。
ちなみに、アスファルトでも感じる雨のニオイは、
主に、道端の街路樹の土から発生するものや、遠くから風で流れてきたもの。
都心部などでは、そこに車の排気ガスやホコリなどが混じって、純粋な雨のニオイとは少し異なった特有のニオイになっている。