地獄の謎を解明していました。
地獄はどこにあるのか?
古代インド仏教において、世界の中心に存在する山、須弥山(しゅみせん)。
海が広がっていて、その中に須弥山という山がある。
この須弥山が仏様の世界。
海の中の南を見てみると、「南贍部洲(なんせんぶしゅう)」 という場所がある。
ここに人間が住む世界がある。
その南贍部洲 の地下に「地獄(八大地獄)」がある。
須弥山には、「地球」という概念はない。
天国は空にあるのではなく、仏教世界は平面の世界で、浄土は「西の果て」にある。
地獄行きを決める方法はなに?
死者が地獄に行くか行かないかを決める10人の王がいる、それが 十王(じゅうおう)。
十審制で、裁判が10回行われる。
死者には、亡くなって「初七日(しょなのか)」があり、7日目から裁判が始まる。
そして、7日ごとに審判を受ける。(1回目=亡くなってから7日目、2回目=14日目・・・)
亡くなってから49日目の7回目で、ひと通りの裁判が終わる。
7回目で行く道が決まるはずだが、再審として8,9、10回目がある。
10回目は、亡くなってから満2年(三回忌)、3年目に行われる。
ちなみに、お経を唱えるのは、功徳(くどく)を積むということ。
簡単にいうと、ポイントカードのポイントを貯めるようなこと。
自分が貯めたポイントを亡くなった人にあげて、一番最初の裁判が開かれた時に有利に働くように法要をしてお経をあげて儀式が行われる。その他の法要も同じ。
どんな裁判が行われるの?
例えば、3回目を担当する宋帝王の場合、ネコとヘビで罪を量る。
この世でやってはいけない「邪淫(じゃいん)」、つまり「浮気」などのこと。
ネコに噛まれたり、ヘビが体内に入ってきたら、そういうことをやっていたと判断される。
このように、王様によって量るアイテムが違う。
4回目の五官王(ごかんおう)は、秤で嘘をはかる。
5回目の閻魔王(えんまおう)は、浄玻璃鏡(じょうはりのかがみ)で、死者の生前の所業を映し出す(防犯カメラみたいなもの?)。
閻魔様とは?
この閻魔様は、もともとは、古代インドの「ヤマ」という神様だった。人間で最初の死者で、一番最初に死後の世界に着き、「冥界の王」となった。
そして、それが、インドから中国に伝わってくる。
その他の9人の王とユニットを組む。
なので、閻魔王だけがインド人で、その他の9人は中国の王様。
もともと、「ヤマ」は、病気をなくす、疫病をなくす ということで拝まれていた神様。
それが、中国で、死後の世界を審判する王様(閻魔王)になった。
そのヤマが、日本にも入ってくるが、最初の頃のヤマは、怖い顔ではなく優しい顔をしていた。
閻魔天像(えんまてんぞう)といい、菩薩の姿をして水牛に乗っていた。
延命・除災・安産を祈願して製作された。
それが、いつしか地獄の審判となり、怖い顔になった。
このようにして、十王という裁きをする王が、冥界で活躍する。
そして、亡くなった人がそこで裁きを受けて、どこの地獄に落ちるかが決まる。