藤子・F・不二雄 先生 の『ある日』というマンガの話:この差って何ですか?【2021/02/02】

藤子・F・不二雄 先生が1982年に発表した短編「ある日」。


映像サークルの4人のメンバーが、それぞれ作った作品の上映会。

1人目は、世界中で自分が走る姿を撮影し、つなぎ合わせた作品を紹介。

2人目は、自宅の窓から8年間撮影し続けた町の開発の様子を紹介。

そして、3人目は、「スターウォーズ」のパロディー作品を紹介。

作品を見ながら、みんなが談笑する中、

4人目の佐久間という男性は、「つまらんです。どれもこれもつまらない。」と3人の作品を酷評。

そんな佐久間の作品が映し出したのは、

家族の団らんや、通学する子供達など、何の変哲もない平凡な日常風景ばかり。

しかし、作品は突如終わってしまう。

「ハハ、どんな難解な映画を見せられるかと思えば・・・。」
「ま、画面は美しいが。」
「ビギナーの試し撮りだね、これは。」

などと、この作品をバカにする3人に対して、佐久間は・・・、

「わかりませんか。ある日、突然・・・核戦争が始まって、一瞬にして小市民の生活が消滅したという結末です。」

と主張。

それに対して、3人は・・・

「唐突すぎる。」
「伏線もないし。」
「説得力ないね。」

などと言って反論。

佐久間は・・・、

『しかし、「ある日」は「唐突」にやってくる。

「伏線」など張るひまもなく。

「説得力」のある破壊なんてあるものか。

「ある日」がいつくるか・・・

今日にも・・・。』

と、言った瞬間!

短編は終了。