ゼリーが固まるのはなぜ?という話がありました。
これについて、酒井崇匡 先生(東京大学大学院 工学系研究科 教授)が説明していました。
(先生は、液体と固体の柔らかい物質を研究するエキスパートで、医療分野への応用を目指している。)
ゼリーは見た感じ固まっているように見えるが、でも実は固まっておらず、ほとんど液体の状態。
ゼリーを食べると、口の中でとろけるような感じがする。
あれは、ほぼ液体だから。
材料は、基本的にジュースみたいな液体と、粉状の「ゼラチン」。
ゼラチンは、動物性タンパク質。
ゼラチンは、動物の体に含まれているタンパク質の一種で、例えば、魚を煮た後に冷えて出来る煮こごり。
これは、魚に含まれているゼラチンの働きによってできている。
ちなみに、一般的に販売されているゼラチンは、牛の骨などから抽出されている。
ゼラチンは、動物の体の中では、「らせん構造」を組んでいる。
3本のゼラチン分子が絡まっている。
しかし、熱をかけると、ゼラチンの動きが活発になってきて、バラバラになる。
市販の粉のゼラチンは、ゼラチン分子が1本ずつバラバラになった状態。
ゼリーを作る時、ゼラチンをお湯に入れる。
温度が高い状態だと、ゼラチンは水とくっついて、お互いに 一緒に動き回るようになる。
この時、水分子の動きも同じように活発になっている。
水分子はゼラチン分子とくっついて動くようになり、離れたくない関係になる。
そして、ゼラチンを溶かしたお湯を型に入れて、冷蔵庫に入れて固める。
冷やされると、ゼラチンはまた「らせん状」に戻ってくる。
そこら辺にあるゼラチン同士でらせんを組んでいくので、
結果的に立体的な網目状の構造を作るようになる。
固まったゼラチンの周りをゼラチンから離れたくない水が動き回っている様子が、私たちの目には固まって見えている。
ゼリーをゆらすとプルンプルンするのは、ゼリーの中で、ゼラチンの分子と水の分子の両方が動き回っているから。