なぜ宇宙ステーションで体が浮くのか?:チコちゃんに叱られる!【2021/11/26】

なぜ宇宙ステーションで体が浮くのか?という話がありました。

これについて、松岡均さん(日本科学未来館 科学コミュニケーション専門主任)が説明していました。

その理由は、地球に落ち続けているから。

無重力だから体が浮いているわけではない

よく無重力というが、宇宙ステーションが飛んでいる高さ400kmぐらいは、地上と比べて10%ほどしか重力は小さくなっていない。

実際、地球の重力は地球から離れるほど弱まる。

しかし、宇宙ステーションは、地球の近くを飛んでいるので、地球とそれほど変わらない重力がある。

では、なぜ体が浮くのか?

遊園地のフリーフォールに乗ると、わかる。

落下する時、体は座席から、わずかに浮いている。

その状態がずっと持続しているのが、宇宙ステーション。

宇宙ステーションは、中の人と一緒に落ちているのがポイント。

物がおちているときは、重力を感じていない状態。

つまり、無重量状態になっている。

急降下中の飛行機の中で、物の重さがどう変化するのかという実験があった。

この実験で、急降下時に、無重量状態にできる。

急降下の前に、一旦急上昇するため、リンゴの重さは普段の3倍の約1200gになった。

そして、ここから 一気に急降下。

すると、飛行機と一緒に、はかりとリンゴが落下しているため、

2つは無重量状態になり、リンゴははかりに乗らず、重さを計測できなくなった。

NASAの訓練映像でも、似たようなことが起きている。

急降下中は無重量状態で浮き、

下降をやめると床に落ちた。

しかし、ここである疑問が・・・。

宇宙ステーションは、落ちて落ち続けていないのでは?

これは、遊園地のジェットコースターに乗るとわかる。

フリーフォールの場合は、真下に落下していたが、

ジェットコースターの場合は、横方向にも移動している。

実は、宇宙ステーションは、1秒間に、約5m落下している。

しかし、同時に、横に約8km移動している。

つまり、1秒後に5m落下しても、横に8km進んでいるので、丸い地球との距離は変わらない。

落下と水平移動を続けているので、地上に落下せずに、地球の周りを回り続けている。

宇宙ステーションの中にいる人も、一緒に落ち続けているので、体が浮いているように見える。