なぜ気温40度は暑くて風呂の40度はちょうどいい?:チコちゃんに叱られる!【2023/10/06】

なぜ、気温40度は暑くて、風呂の40度はちょうどいい?という話がありました。

同じ40度なのに、なぜなのか?

これについて、体温について研究している 中村和弘 先生 (名古屋大学 大学院医学系研究科 教授)が説明していました。

暑さの正体は、温度が高いことだけではない。

だから、同じ40度でも、お風呂の40℃と気温の40℃は、感じ方が違う。

暑さの正体は皮膚の温度変化を脳に伝える神経の電気信号。

私たちは人間は、体温を一定に保つ恒温動物。

もし、体温が上がり続けると、脳を含む臓器が機能しなくなり、命が危険になる。

そうならないために、人間は、

皮膚の温度が上がると、皮膚から脳に、神経を使って電気信号を送り、

それを受け取った脳が、汗を出すなどして、体温が上がるのを防ぐ。

この時、皮膚から脳に送られる電気信号を、我々人間は「暑い」と感じている。

2人の男性が、まず、水温40℃のお風呂に入って検証してみる。

Aさんは、入る前の皮膚の温度が34.1℃で、入って1分後は40.2℃と、6.1℃上がった。
Bさんは、入る前の皮膚の温度が32.7℃で、入って1分後は39.4℃と、6.7℃上がった。

2分後、2人の皮膚の温度は、
Aさんは、39.3℃
Bさんは、39.7℃

その後、2人の皮膚の温度に、大きな変化はなく、40℃前後をキープしたまま、10分間の検証は終了。

2人は、お風呂で、ほてった体を冷まし、

続いて、40℃のサウナに入って検証。

Aさんは、入る前の皮膚の温度が34.5℃で、入って1分後は34.7℃と、0.2℃上がった。
Bさんは、入る前の皮膚の温度が33.0℃で、入って1分後は34.3℃と、1.3℃上がった。

2分後、2人の皮膚の温度は、
Aさんは、35.1℃(+0.4℃)
Bさんは、34.6℃(+0.3℃)

その後、少しずつ皮膚の温度は上がるものの、サウナに入った時は、お風呂に入った時ほど、皮膚の温度は上がらなかった。

しかし、サウナの方が暑く感じた。これはなぜか?

重要なのは、皮膚温度の高い低いではなく、皮膚温度が上昇している時間。

Aさんの皮膚の温度変化を比べてみると、お風呂の場合、入ってすぐ上昇、しかし、それは、一瞬。

一方、サウナは、10分間ほぼ上昇し続けている。Bさんも似たようなもの。

皮膚の温度の上昇時間が短いということは、電気信号も短時間しか出ないので、熱さ一瞬。

お風呂に入った時の「熱っ」と感じるのがグラフの青い線の部分。

皮膚の温度が上がっている最中なので、熱さを感じる電気信号が多く「熱い」と感じる。

しかし、その後は、気持ちよく浸かっていられる。

それが、グラフの赤い線の部分。

皮膚の温度の変化が、ほとんどないので、熱さを感じる電気信号が少なく、「熱い」と感じない。

一方、サウナの場合、少しずつ皮膚の温度が上昇しつづけている。

つまり、皮膚から脳へ、電気信号が送られ続けているので、気温40℃は暑く感じる。

ところで、なぜ、お風呂は皮膚温度が急上昇するのか?

それは、空気よりも水の方が約20倍、熱が伝わりやすいから。

例えば、90℃のサウナに3秒間入っていられるか?おそらくいける。

一方、90℃のお風呂に3秒間入っていられるか?たぶん無理。

サウナの場合は、じわじわ暑さを感じるが、90℃のお湯の場合、一瞬で皮膚に熱が伝わりヤケドする。

つまり、同じ40℃でも、熱いと感じる時間が短いお風呂は気持ちいいと感じ、

暑いと感じる時間が長い気温40℃は、ずっと暑いと感じ続ける。

ちなみに・・・、

暑さの感じ方は、育った環境・慣れなど人によって変わるので、今回の答えが全員に当てはまるわでけはない。