ワインの栓として使われる「コルク」。
液体をほとんど通さないのが特徴だが、
もう一つある性質を持っている。
ここで、消しゴムとコルクを使って実験。
まず、消しゴムを万力で挟む。
消しゴムを縦に潰していくと、だんだんと横に広がってく。
万力をゆるめると、広がった分は戻っていく。
次に、コルクを万力で挟む。
コルクを縦に潰していくと、横には広がらなかった。
消しゴムをのように大抵のものは、潰すと横に広がるが、
コルクの場合は、広がらない。
これは、なぜか?
コルクを顕微鏡写真で見ると分かる。
内部はこのように、空洞がたくさんあるスカスカな構造になっている。
これがポイント。
コルクのように内部がスカスカな構造のものを作ってみる。
これを縦に潰してみる。
すると、中の空洞に壁が折り畳まれるだけで、横には広がらない。
この縦に潰した時、横にどう広がるかは、「ポアソン比」という数値で表すことができる。
消しゴムのように縦に潰すと横に広がり、ほとんど体積が変わらないものは、ポアソン比が約0.5。
コルクのような縦に潰しても横に広がらないものは、ポアソン比は0になる。
実は、このポアソン比はマイナスになることもある。
ポアソン比がマイナスということは、上から押すだけで、横にも縮むということ。
そんなものはないように思えるが、
こちらのようなものがある。
これは、オーゼティック構造と呼ばれるものの一種で、その構造は結構単純。
45度に傾いた正方形が並んで、つながっているだけ。
上から押されると交互に回転し合い、隙間を埋めるように動く。
なので、横にも縮む。