コルクの秘密:2355【2024/09/06】

ワインの栓として使われる「コルク」。


液体をほとんど通さないのが特徴だが、

もう一つある性質を持っている。

ここで、消しゴムとコルクを使って実験。

まず、消しゴムを万力で挟む。

消しゴムを縦に潰していくと、だんだんと横に広がってく。

万力をゆるめると、広がった分は戻っていく。

次に、コルクを万力で挟む。

コルクを縦に潰していくと、横には広がらなかった。

消しゴムをのように大抵のものは、潰すと横に広がるが、

コルクの場合は、広がらない。

これは、なぜか?

コルクを顕微鏡写真で見ると分かる。

内部はこのように、空洞がたくさんあるスカスカな構造になっている。

これがポイント。

コルクのように内部がスカスカな構造のものを作ってみる。

これを縦に潰してみる。

すると、中の空洞に壁が折り畳まれるだけで、横には広がらない。

この縦に潰した時、横にどう広がるかは、「ポアソン比」という数値で表すことができる。

消しゴムのように縦に潰すと横に広がり、ほとんど体積が変わらないものは、ポアソン比が約0.5。

コルクのような縦に潰しても横に広がらないものは、ポアソン比は0になる。

実は、このポアソン比はマイナスになることもある。

ポアソン比がマイナスということは、上から押すだけで、横にも縮むということ。

そんなものはないように思えるが、

こちらのようなものがある。

これは、オーゼティック構造と呼ばれるものの一種で、その構造は結構単純。

45度に傾いた正方形が並んで、つながっているだけ。

上から押されると交互に回転し合い、隙間を埋めるように動く。

なので、横にも縮む。