ここに、カクテル用のグラスが2つある。
どちらも、8割ぐらいの高さまで入っている。
実は、左のグラスの中身を右のグラスの中に、
溢れることなく、全て入れることができる。
本当に?と、一見無理そうに見えるが、
実際にやってみると、こぼれずに、ギリギリ全部入った。
一体、何が起きているのか?
はかりを使って確かめてみる。
まず、グラスをはかりに載せてゼロにする。
グラスに、お茶を注ぐ。
いっぱいになるまで注ぐと、重さは 101gだった。
次に、注射器を使って、その約半分の50gを隣にあるもう一つのグラスに移す。
お茶の高さを見ると、どちらのグラスも、半分以上入っている。
半分ずつにしたはずなのに、不思議。
実は、この不思議な現象は、カクテルグラスの形のせい。
カクテルグラスは単純化すると、円すいとして考えることができる。
円すいの体積は、整理すると、こうなる。
これが、満杯まで入れた時の体積。
一方、8割まで入れた時は、どうなるか?
半径と高さは、それぞれ0.8倍となり、整理すると下の方になる。
0.8の3乗の所を計算すると、0.512となる。
つまり、8割の高さまで入れた時の体積は、満杯の時の0.512倍、
約半分だということが分かる。
なので、高さが8割まで入っているグラス同士を合わせると、
ギリギリ溢れないということだった。