半分だけど半分じゃない:2355【2025/04/11】

ここに、カクテル用のグラスが2つある。


どちらも、8割ぐらいの高さまで入っている。

実は、左のグラスの中身を右のグラスの中に、

溢れることなく、全て入れることができる。

本当に?と、一見無理そうに見えるが、

実際にやってみると、こぼれずに、ギリギリ全部入った。

一体、何が起きているのか?

はかりを使って確かめてみる。

まず、グラスをはかりに載せてゼロにする。

グラスに、お茶を注ぐ。

いっぱいになるまで注ぐと、重さは 101gだった。

次に、注射器を使って、その約半分の50gを隣にあるもう一つのグラスに移す。

お茶の高さを見ると、どちらのグラスも、半分以上入っている。

半分ずつにしたはずなのに、不思議。

実は、この不思議な現象は、カクテルグラスの形のせい。

カクテルグラスは単純化すると、円すいとして考えることができる。

円すいの体積は、整理すると、こうなる。

これが、満杯まで入れた時の体積。

一方、8割まで入れた時は、どうなるか?

半径と高さは、それぞれ0.8倍となり、整理すると下の方になる。

0.8の3乗の所を計算すると、0.512となる。

つまり、8割の高さまで入れた時の体積は、満杯の時の0.512倍、

約半分だということが分かる。

なので、高さが8割まで入っているグラス同士を合わせると、

ギリギリ溢れないということだった。