林修先生が最も会いたい教師「中室牧子 先生」が特別授業をしていました。
東大に子どもを入れた親の教育法をマネしても東大には受からない
「子どもを全員東大に入れた」お母さんの本や、「低い偏差値から偏差値の高い大学に入れた」教育者の本はよく売れている。
しかし、「杞憂な武勇伝」だからこそ賞賛されがち。
そういう本を読んだ後に、一歩立ち止まって考えなければならないのは、
成功したお母さんと同じ事をして、自分の子どもを成功させられるのか?ということ。
「子どもの能力」「親の取り組み」「運」といった受験の合否を左右する要因を無視して、
勉強法だけマネしたところで同じ結果にはならない。
読書と学力の間に因果関係はない
例えば、「子どもを全員東大に入れた」お母さんの本の中に、
「子どもが小さい頃、かなり読書をさせました」「読書させていたおかげで成績が伸びました」。
と書いてあったとすると、多くの方は、「読書」と「学力」の間に「因果関係」があったと考えてしまいます。
因果関係があれば、読書(原因)をすれば、学力(結果)が高くなるのは正しい。
しかし、関係にはもう一つあって、それを相関関係といいます。
相関関係とは?
「本を読む」のと「学力が高くなる」が同時に起こってはいるが、原因と結果が明らかではない場合。
この場合、読書をしたから学力が高くなったのではなくて、学力が高いような子が本を読んでいるだけという可能性がある。
学生時代にスポーツをやっていた人は年収が高くなる
たくさんの一卵性双生児のデータを使って調べた。
一卵性双生児の場合、「遺伝的環境」も同じ、「家庭環境」も同じ、
その中で、片方の子どもはスポーツをやっていた、もう片方の子どもはスポーツをやっていないというケースがあった場合、
この場合、スポーツをやっていた人の方が、正社員になる確率が高かった。
スポーツを通して、「忍耐力」や「リーダーシップ」を獲得しているから収入がアップするのだという。
子どもに対して親が最もやってはいけないこと
A「勉強したか確認」
B「勉強を見ている」
C「時間を決めて守らせる」
D「勉強しなさい!と言う」
この項目で学習時間がどれだけ伸びたか見てみたところ、大抵ものは時間が伸びたが、「勉強しなさい!と言う」のだけ逆効果だとわかった。
リビングで勉強すると学力がアップすると言われているのは、親が近くで見ていたり、時間を設定しやすいということがあげられる。
お金で釣る勉強法
「勉強しなかったらお肉抜きにするわよ」っと言うような罰を与える方法は、
これよりもご褒美で釣る方がいいみたいです。
人には「目先の利益」の方が「遠い将来の利益」よりもよく見える傾向があります。
・ダイエットの時に、つい目の前にあるケーキを食べてしまう。
・貯金をしている時に、つい目の前の服を買ってしまう。
子どもは、長い目で見ると勉強した方がいいことはわかっているので、勉強することに利益を高めてあげる。
そこで出てくるのが「ご褒美」。しかしただあげればいいというものでもない。
A.テストで80点とったら、2000円あげる。
B.参考書を1冊読み終わったら、200円あげる。
アメリカの実験では、Aのように、結果(アウトプット)にご褒美をあげるのではなくて、Bのように、きっかけ(インプット)に対してご褒美を与える方が学力が高くなるということがわかった。
子どもは大人が思っている以上に、どうすれば学力を上げる方法をわかっていない。
なので、「本を読む」や「宿題をする」など具体的な手順を示してあげるとよい。